響きがかっこいい単語、今回のテーマはハルシネーション!
ChatGPTやGeminiなどのAIサービスを使っていて、「あれ?この情報、なんか怪しくない?」と思ったことはありませんか。調べてみると、AIが堂々と間違った情報を話してきたという経験をした人も多いはず。
人間よりも遥かに知識があるはずのAIがなんでこんな勘違いをしてるんだ?と疑問に思っちゃいますよね。
実はこの現象、AIの世界では「ハルシネーション」という専門用語で呼ばれているんです。今やAI分野で最も注目されている重要な概念の一つになっています。
「ハルシネーション」のことば診断
当サイトでは、響きがかっこよく、知的好奇心をくすぐる珠玉の単語を厳選して、中学生から大人までわかりやすく紹介しています。
今回のテーマ「ハルシネーション」について、「身近さ」「レア度」「難解度」をそれぞれ診断してみました!
身近さ: 4.0 (どのくらい身近な世界の話か)
AIが身近になった現在ではハルシネーションという言葉自体も身近なものになりました。(聞いたことがあるかは別)
AIを使ったことのある多くの人が一度はハルシネーションの影響を受けたことがあるでしょう。
レア度: 3.0 (日常生活の遭遇頻度)
日常会話でハルシネーションという言葉を使うことはあまりないでしょうが、AI関連の話題では議題に上がることは少なくありません。
難解度: 3.5 (言葉の意味理解の難易度)
言葉の表面的な意味は理解しやすいものの、AIにおけるハルシネーションの具体的な仕組みや影響を正確に理解するには、ある程度の専門知識が必要です。
ハルシネーションって何?
ハルシネーション(Hallucination)とは、人工知能が実際には存在しない情報や間違った情報を、まるで事実かのように自信満々に生成してしまう現象のことです。
Hallucinationは英語で幻や幻覚といった意味があります。AIが「実際にはないものを実在するかのように認識・表現する」という点で、人間の幻覚症状と似ていることからハルシネーションと呼ばれるようになりました。
とはいえ、AIは人間のように「幻覚を見ている」わけではありません。ハルシネーションは、AI の学習データや処理過程で生じる技術的な問題から起こる現象なんです。
ハルシネーションの具体例
ハルシネーションがどんなものか、具体的な例で見てみましょう。
存在しない人物の情報を語る 「田中太郎さんについて教えて」と聞いたとき、実際には存在しない人物なのに、AIが「田中太郎さんは1975年生まれの作家で、代表作は『夏の終わり』です」のような詳細な経歴を作り上げてしまうケースがあります。
間違った歴史的事実 「第二次世界大戦はいつ終わったか?」という質問に対して、「1946年9月に終了しました」のように、実際とは異なる年月を答えることがあります。
存在しない書籍や論文の引用 「この分野の参考文献を教えて」と聞いたとき、実際には存在しない本のタイトルや著者名、出版社を具体的に挙げてしまうことがあります。
お店のでっち上げ 「箱根の客室露天風呂付きの老舗旅館を教えて」のような質問をした時、存在しない温泉宿をでっち上げて紹介してくることがあります。
なぜハルシネーションは起こるの?
ハルシネーションが起こる理由を理解するには、AIがどのように動いているかを知る必要があります。
学習データの問題 AIは大量のテキストデータから学習しますが、その中には間違った情報や偏った情報も含まれています。AIはそれらを区別せずに学習してしまうため、間違った情報を「正しい」と覚えてしまうことがあります。
パターン認識の限界 現在のAIは、学習したデータの中からパターンを見つけて、それに基づいて答えを生成します。しかし、学習していないパターンに出会ったとき、既存の知識を組み合わせて「それらしい」答えを作り出そうとしてしまいます。
確率的な文章生成 多くのAIは、「次にどの単語が来る確率が高いか」を計算して文章を作ります。この仕組みだと、確率的にありそうな単語の組み合わせを選んでしまい、結果として事実とは異なる内容を生成することがあります。
ハルシネーションの対策
AIハルシネーションは完全に防ぐことは難しいですが、対策方法はあります。
AI開発者側の対策
- より質の高い学習データを使用する
- ファクトチェック機能を組み込む
- 「わからない」と答える能力を向上させる
- 複数のAIモデルで相互チェックを行う
ユーザー側の対策
- AIの回答を鵜呑みにしない。
- 重要な情報は必ず複数の情報源で確認する
- 具体的な出典を求めてみる(ここでもハルシネーションが発生する可能性はある・・・)
AIハルシネーションの現在と未来
AIハルシネーションは、現在のAI技術における最大の課題の一つとされています。
ChatGPTのOpenAI、GeminiのGoogle、ClaudeのAnthropicなどの主要なAI企業は、この問題の解決に向けて大規模な研究開発を行っています。新しいモデルが発表されるたびに、「ハルシネーションの発生率を○○%削減」といった改善報告がなされています。
しかし、完全にハルシネーションをなくすのは技術的に非常に困難とされています。なぜなら、AIの創造性や柔軟性と、事実の正確性は、ある程度トレードオフの関係にあるからです。
創作活動においては、AIの「想像力」や「創造性」として活用できる場合もあります。
例えば、小説のアイデアを考えるとき、実在しない設定や登場人物をAIが提案してくれることは、むしろ歓迎される場合もあるでしょう。
実在する情報だけしか提案しないAIだと、いろんな作品からアイディアを寄せ集めたパクリ集のような作品しかできなくなってしまいますもんね・・・。
将来的には、AIが「知らないことは知らない」と素直に認める能力や、情報の確信度を適切に表現する能力が向上していくことが期待されていますが、ハルシネーションを完璧に抑え、かつ独創性もあるAIに仕上げるのは非常に難しいと考えられています。
まとめ
今回は響きがかっこいい単語として、ハルシネーションについて紹介しました。
AIが間違った情報をもっともらしく語ってしまう現象は、一見すると問題しかない現象に思えますが、AIにある程度の独創性を持たせるためには仕方のないとも言えるものでした。
これからAIがますます身近になる時代において、ハルシネーションという概念を知っておくことは、AIと上手に付き合っていくために欠かせない知識と言えるでしょう。
AIはいくら賢くてもハルシネーションは起こってしまうものと割り切って付き合っていけば、AIをより賢く活用できるようになるはずです!



コメント