響きがかっこいい単語、今回のテーマはキャベンディッシュのねじり天秤!
突然ですが「地球の重さを測ってください」と言われたらどうしますか?おそらく殆どの人がどうやって測ればいいのか想像もつかないと思います。
キャベンディッシュのねじり天秤は、まだデジタル機器などなかった1798年に、地球の重さ(正確には重力定数)を測ることに成功した、天才的でありながらもどこか泥臭さを感じる実験装置の名前なんです。
「キャベンディッシュのねじり天秤」のことば診断
当サイトでは、響きがかっこよく、知的好奇心をくすぐる珠玉の単語を厳選して、中学生から大人までわかりやすく紹介しています。
今回のテーマ「キャベンディッシュのねじり天秤」について、「身近さ」「レア度」「難解度」をそれぞれ診断してみました!
身近さ:1.0(どれくらい身近な世界の話か)
日常生活で触れる機会は全くないでしょう。科学の歴史に興味がある人にとっては歴史的な実験装置としてどこかで聞いたことがあるかもしれません。
レア度:5.0(日常生活での遭遇頻度)
専門書や科学史の記事で取り上げられることはありますが、一般会話で出てくることはほぼ皆無です。
難解度:4.0(言葉の意味理解の難易度)
実験装置の使い方(測定方法)を理解するには多少の物理学の知識が必要なので、物理に詳しくない人にはちょっと難しいかもしれません。
キャベンディッシュのねじり天秤って何?
キャベンディッシュのねじり天秤とは、1798年にイギリスの物理学者ヘンリー・キャベンディッシュが万有引力定数を測定するために使用した実験装置のことです。
装置は1783年頃、天文学者のジョン・ミッチェルによって考案されたものですが、ジョン・ミッチェルは測定を完了する前に他界してしまいました。
キャベンディッシュはその装置を引き継ぎ、様々な改良や試行錯誤の末に測定を完了し、結果を発表しました。

上の画像がキャベンディッシュのねじり天秤の設計図です。ぱっと見だと分かりづらいですが、この装置はかなり大きく、図の内側の装置の本体部分だけで幅は1.8メートルほどありました。
図を見ると、大きな球が左右に2つぶら下がっていますね。これらは重さがそれぞれ約160kgもある巨大な鉛球です。
その横には、小さな球が描かれていますが、こちらは0.73kgの小さな鉛球が糸でぶら下がるような形になっています。
小さな鉛球が大きな鉛球の重力に引かれて回転することで、重力の引き合う力を測定する仕組みになっていました。
重力といえば地球や惑星のような大きな天体のイメージがあるかもしれませんが、実はあらゆる物体同士も重力で引き合っているんです。
ただし、その力はとても小さいので、日常ではほとんど感じることがありません。
キャベンディッシュは、このごくわずかな「鉛球どうしの引き合う力」をていねいに測定することで、重力の基本的な強さ(重力定数)を割り出すことに成功しました。
キャベンディッシュのねじり天秤の仕組みと実験の困難さ
キャベンディッシュのねじり天秤が測ろうとしたのは、鉛の球どうしが引き合う、ほんのわずかな重力です。
この力は、私たちが普段体感するようなものとはまるで違う、鼻息ひとつで実験結果が変わってしまうような繊細なものです。
だからこそ、実験の環境づくりには信じられないほどの気配りと工夫が必要でした。
実験装置は“小屋の中”に設置
風が吹けば装置がわずかに揺れてしまい、結果が台無しになってしまいます。そこで装置は、小さな密閉された専用の小屋の中に設置されました。
この小屋そのものが「風よけのケース」だったわけです。
真っ暗闇で行われた実験
電球などの光源も、熱を発して空気を動かしてしまいます。
その影響すら避けるために、実験中は完全な暗闇。さらに、計測時の温度が違うと空気分子の動きによって計測結果に影響が出てしまうため、温度管理も徹底していたそうです。
小屋は立入禁止
人がそばを歩いただけで発生する空気の流れ(対流)すら影響を与えるため、キャベンディッシュ自身も実験室の中には入れませんでした。
そこで彼は建物の外から望遠鏡で鏡の反射を見ることで、ねじれ具合を観測していたのです。
装置の図を見ると、両サイドの壁に何やら穴が空いていますがこれはそのための穴なんですね。
キャベンディッシュの測定結果の制度
キャベンディッシュの実験は、当時としては驚異的な精度を誇っていました。
キャベンディッシュが計測した結果は、現在知られている正確な値と比べて誤差はわずか1%程度という驚異的な精度です。
| キャベンディッシュが発表した値 | 6.754 × 10⁻¹¹ N·m²/kg² |
| 現代で使われている値 | 6.67430 × 10⁻¹¹ N·m²/kg² |
まとめ
今回は響きがかっこいい単語としてキャベンディッシュのねじり天秤について紹介しました。
いまや当たり前に思える「地球の重さ」や「万有引力定数」といった基礎的な情報も、実はこうした先人たちの地道で創意工夫に満ちた実験の積み重ねによって明らかにされてきたものです。
理科の教科書にさらっと載っている数値の裏側には、失敗と挑戦を繰り返してきた深い歴史があります。
そんな歴史を知っているだけで、科学の見え方がちょっと変わってくるかもしれません。



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