響きがかっこいい単語、今回のテーマはブロードキャストストーム!
ブロードキャストストームは、私たちの身近にあるネットワークの世界で発生するトラブルを指す言葉です。
まさにネットワーク内で「嵐」のような現象が起こるんです。
今回は、そんなブロードキャストストームが一体何なのか、なぜ起こるのか、どんな影響があるのかについて、わかりやすく解説していきます!
「ブロードキャストストーム」のことば診断
当サイトでは、響きがかっこよく、知的好奇心をくすぐる珠玉の単語を厳選して紹介しています。
今回のテーマである「ブロードキャストストーム」について、「身近さ」「レア度」「難解度」をそれぞれ診断してみました!
身近さ:2.0(どれくらい身近な世界の話か)
一般家庭のネット環境ではあまり意識されませんが、社内LANや大規模ネットワークでは現実に発生し得るトラブルです。
直接体験する人は限られるものの、ネットワークが止まる原因の一つとして存在します。
レア度:5.0(日常生活での遭遇頻度)
専門職やネットワーク管理者の間では知られる言葉ですが、日常会話で出ることはまずありません。ITインフラやネットワーク障害の話題でのみ登場する、ややレアな専門用語です。
難解度:4.0(言葉の意味理解の難易度)
ネットワークの知識が必要なのでITやパソコンに詳しくない人にはイメージしづらい言葉かもしれません。
そもそも「ブロードキャスト」って何?
ブロードキャストストームを理解するためには、まず「ブロードキャスト」という言葉が何を意味するのかを知る必要があります。
テレビ番組を放送することを「ブロードキャスト」ということがあります。
今回の話はネットワーク用語としてブロードキャストという言葉が登場しますが、意味は似たようなものです。
ネットワークの世界では、データのやり取りを「通信」と呼びます。この通信には、大きく分けて3つの種類があります。
- ユニキャスト:特定の相手にだけデータを送る通信。
- マルチキャスト:特定のグループにデータを送る通信。
- ブロードキャスト:同じネットワークにつながっている「全員」にデータを送る通信。
たとえば、クラスで先生が連絡事項を伝える場面を想像してみましょう。
- ユニキャストは、先生が特定の生徒にだけ個人的な話をするようなものです。
- マルチキャストは、特定のグループ(特定の班の生徒だけ等)に連絡をするようなものです。
- ブロードキャストは、先生が「みんな聞いてください!」とクラス全員に話しかけるようなものです。
このように、ブロードキャストは、ネットワークにつながっているすべての機器に情報を一斉に送る便利な仕組みです。
たとえば、新しいプリンターがネットワークにつながったとき、他のパソコンに自分の存在を知らせるためにブロードキャストが使われます。
ブロードキャストストームって何?
ブロードキャストストームは、この「ブロードキャスト」という通信が、ネットワーク上で無限に、そして大量に繰り返されてしまう現象のことです。
たとえ話で考えてみましょう。
さきほどの先生と生徒の話を思い出してください。先生がクラス全員に連絡事項を話します。
もし、その話を聞いた30人の生徒たちが、「先生が話した内容を、もう一度クラス全員に伝え返そう!」と一斉に同じことをしゃべり出したらどうなるでしょうか?
「みんな聞いてください!」
「みんな聞いてください!」
「みんな聞いてください!」
……と、教室はあっという間に連絡事項を伝え返す声で満たされ、大混乱になってしまいます。
更に30人の生徒が伝え返そうと発した連絡事項を受けて、さらにまた全員がそれを伝え返すとなると、永遠に教室内が30人(+先生)が永遠に連絡事項を話し続けるという状態になってしまいます。
これが、ネットワークの世界で起こるブロードキャストストームです。
通常、ブロードキャストされたデータは、ネットワーク機器(ルーターなど)が適切に処理します。しかし、何らかの理由で、このデータがネットワークをループしてしまい、同じデータが何度も何度も送り返される状態になることがあります。
これが連鎖的に発生し、ネットワーク全体に大量のブロードキャスト通信があふれかえってしまうと、他の正常な機器が通信しようと思ってもブロードキャストストームによって通信経路が埋め尽くされているため、正常なデータが通過できなくなってしまうんです。
先程の例でいうと、30人の生徒が大騒ぎをしているところに隣教室の先生が現れて追加の連絡事項を話そうと思っても、30人の声にかき消されてしまうので、隣の教室の先生はなかなか話し出すことは出来ませんもんね。
ブロードキャストストームはなぜ起こる?
ブロードキャストストームの主な原因は、ネットワークの配線ミスや設定ミスです。
特に、ケーブルを誤ってつないでしまい、ネットワークの物理的なループを作ってしまうケースが最も多いです。
たとえば、Aという機器とBという機器を、本来なら1本のケーブルでつなぐところを、間違えて2本のケーブルでつないでしまったとしましょう。
この場合、AからBに送られたブロードキャスト信号は、もう1本のケーブルを通ってBからAに戻ってきてしまいます。
そして、Aは戻ってきたブロードキャスト信号を、再びBに送り返します。このやり取りが永遠に繰り返され、ブロードキャスト信号はあっという間にネットワーク上を埋め尽くしてしまいます。
最近のネットワーク機器は、こういったループを防ぐための機能(スパニングツリープロトコルなど)を搭載しているため、一般的な環境でブロードキャストストームが起こることは非常に稀になりました。
しかし、この設定がオフになっていたり、古い機器を使っていたりすると、今でも発生する可能性があります。
ブロードキャストストームが発生するとどうなる?
ブロードキャストストームが発生してしまったネットワーク内では、ネットワークの通信経路が大量のブロードキャスト通信でパンクしてしまうため、回線の速度が極端に遅くなります。
メールを送ったり、ウェブサイトを見たりするような、ごく普通の通信すらまともにできなくなります。
ひどい場合には、ネットワーク機器そのものが処理しきれなくなり、完全に固まってしまったり、機器の電源が落ちてしまったりすることもあります。
企業や学校のネットワークでこれが起こると、業務や授業が完全にストップしてしまい、深刻なトラブルに発展する可能性があります。
まとめ
今回は、響きがかっこいい単語「ブロードキャストストーム」について解説しました!
ブロードキャストストームは、ネットワーク上でデータが無限に増殖し、ネットワーク全体を麻痺させてしまう現象を表す言葉でした。
その原因の多くは、簡単な配線ミスや設定ミスから起こる物理的なループにあります。
インターネット使用中、特定のWebサイトが重くて見られないときは、もしかしたらブロードキャストストームのようなトラブルが起こっているのかもしれません。
普段私たちが何気なく使っているインターネットやWi-Fiですが、仕組みは本当に複雑で、いろんな技術によって支えられていて、些細なことで動かなくなってしまう難しい世界なんです。
今となってはなくては普通の生活すら成り立たないインターネットの世界、たまにはそれを支えてくれている技術や人に感謝して利用したいですね!



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