シュヴァルツシルト半径とは?ブラックホールの作り方は意外とシンプル?

響きがカッコいい単語 シュヴァルツシルト半径とは?科学
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響きがかっこいい単語、今回のテーマはシュヴァルツシルト半径

なんだか難しそうな響きがする言葉ですが、ブラックホールを理解する上で欠かせない重要な概念なんです。

人気映画、インターステラーにも登場したこの言葉、少し難しい言葉ですが、意味を学んでみましょう

「シュヴァルツシルト半径」のことば診断

当サイトでは、響きがかっこよく、知的好奇心をくすぐる珠玉の単語を厳選して、中学生から大人までわかりやすく紹介しています。

今回のテーマ「シュヴァルツシルト半径」について、「身近さ」「レア度」「難解度」をそれぞれ診断してみました!

身近さ:1.5(どれくらい身近な世界の話か)

1.5

そもそもブラックホールが遠い世界の話すぎるので身近さは皆無レベルです。SFをテーマにした創作物では登場することはあります。

ブラックホールや相対性理論に興味がある人にとっては重要な用語ですが、日常生活で使うことはまずありません。

レア度:4.5(日常生活での遭遇頻度)

4.5

専門書や科学系の特集番組、SF映画などで登場することはありますが、ニュースや会話に出てくることはほぼありません。

難解度:4.0(言葉の意味理解の難易度)

4.0

雰囲気だけならそこまで難しくはないですが、理屈を理解するにはある程度物理学への理解が必要です。

本質的に理解するには相対性理論やブラックホールへの知識も必要になります。

シュヴァルツシルト半径とは?

シュヴァルツシルト半径とは、簡単に言うと「ある物質をどれだけ小さく潰せばブラックホールになるか」を示す尺度のことです。

この説明だけだと「何言ってるの?」と思った方も多いかもしれません。

実はどんな物質でも、とんでもない力で極限まで小さく押しつぶすと、ある一定の大きさ(シュヴァルツシルト半径)を下回った瞬間にブラックホールに変わるのです。

地球や太陽はもちろん、理論上はそのへんに落ちている石ころも、筆箱に入っている消しゴムでさえブラックホールになる可能性があります。

ただし、元の質量(≒重さ)が小さすぎるものはシュヴァルツシルト半径が原子よりも小さくなってしまうため、あくまで理論上の話です。

身近な物のシュヴァルツシルト半径

シュヴァルツシルト半径の求め方

シュヴァルツシルト半径は、以下の公式で計算できます。

\( R_s = \frac{2GM}{c^2} \)

それぞれ以下のような値が入ります。

\( R_s \)
計算結果のシュヴァルツシルト半径(メートル)

\( G \)
万有引力定数
\( 6.67430 \times 10^{-11} \, \mathrm{m^3 \cdot kg^{-1} \cdot s^{-2}} \)

\( M \)
質量(kg)

\( c^2 \)
光速
\( 2.99792458 \times 10^8 \, \mathrm{m/s} \)

万有引力定数は以下のキャベンディッシュのねじり天秤の記事で触れているので良かったらご一読ください!

身近なもののシュヴァルツシルト半径

身近な星をブラックホールにするにはどのくらいのサイズまで圧縮すればよいのでしょうか?

いくつかピックアップして計算してみましょう。

地球

まずは一番身近な地球です!地球のシュヴァルツシルト半径は約8.9ミリメートルになります。

つまり、地球を半径8.9ミリメートル(直径17.8ミリメートル)にまで圧縮することができれば、地球はブラックホールになるんです。

2センチ以下となると、大きめのビー玉くらいのサイズです。ブラックホールを作るには、これだけ大きな地球をビー玉サイズにまで小さくするほどのエネルギーが必要なんです。

ブラックホールがとんでもないエネルギーを持っているのも頷けますね!

太陽

太陽ほどの質量になると、シュヴァルツシルト半径は約2.95キロメートルにまでなります。直径にすると6キロ弱です。

山手線の家側の東西の幅(東京から新宿)までの距離がこれに近いです。

地球の100倍以上の大きさの太陽を山手線の内側に収まるまで圧縮してようやくブラックホールになるんですね。

ピストルスター

当サイトでも以前紹介したピストルスター。太陽の30倍近くの質量を持つ巨大な恒星ですが、ここまで大きくなるとシュヴァルツシルト半径は81km程となり、想像することも難しいレベルになってきます。

ここまでくると、福島県の東西の長さ、兵庫県の南北の長さと同じレベルになり都市レベルのスケールです。

超巨大ブラックホールシュヴァルツシルト半径

宇宙に詳しい人は、2019年に人類史上初めてブラックホールの撮影に成功したというニュースを覚えているかもしれません。

国立天文台

このブラックホールはおとめ座の方向にあるM87銀河の中心に存在する、超巨大ブラックホールです。

このブラックホールは、質量がなんと太陽の約65億倍というもはや意味がわからないレベルの質量を持っています。

このM87ブラックホールのシュヴァルツシルト半径(事象の地平面の半径)はおよそ1920億kmに達します。直径は約3,840億kmです。

太陽から冥王星までの平均距離は約60億kmと言われています。つまり、M87ブラックホールの直径は、太陽系(冥王星軌道)のおよそ64倍もの大きさです。

「太陽系がまるごと飲み込まれてもまだまだ全然余ってしまう」ほどのスケールです。まさに宇宙最大級の怪物といえるでしょう。

まとめ

今回は響きがかっこいい単語としてシュヴァルツシルト半径について紹介しました。

私たちの日常生活からは遠く離れた宇宙の話ですが、GPS技術のような身近な技術の背景にも関わっているなど、私達の生活にも無関係ではありません。

宇宙の謎を解き明かす鍵の一つとして、シュヴァルツシルト半径は今後も重要な役割を果たし続けるでしょう。

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